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クロサンショウウオ

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クロサンショウウオ
Hynobius nigrescens Stejneger, 1907
全長:12~19cm
肋条は11本。後肢は5指。背面の体色は褐色から緑褐色で、濃い褐色の小斑紋が現れることもある。他の止水性サンショウウオ同様、腹部を中心に銀白色の斑紋が現れる個体もいる。大型で四肢が長い。尾は非常に長く、頭胴長よりも長くなる。繁殖期のオスは首周りの皮膚が著しく膨らむほか、尾が扁平しヒレ状になる。

【分布】福井県~長野県~茨城県以北の本州,佐渡島

【生態】海岸近くの低標高地から標高2500m以上の高山帯までの森林の林床に生息する。低地では2月下旬頃、高標高地では5月から7月にかけての雪解けの時期に、湧水の流れ込む池など比較的水深の深い止水域で繫殖活動を行う。卵嚢は乳白色でアケビの実に似た独特の見た目をしており、卵嚢外皮はゼリー状で非常にもろい。産卵数は20~70で、高標高地では産卵数が少ない傾向がある。幼生は水生昆虫や他の両生類の幼生などを捕食するほか、共食いも行う。幼生は普通夏までに上陸するが、幼生越冬を行い翌年に上陸することも多い。上陸後の亜成体および成体は落ち葉や倒木などの下で生活し、ミミズやワラジムシなどの土壌生物や昆虫などを捕食する。

【生態写真】
オス成体
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メス成体
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卵嚢
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マホロバサンショウウオ

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マホロバサンショウウオ
Hynobius guttatus Tominaga, Matsui, Tanabe et Nishikawa, 2019
全長:8~13cm
肋条は13本。鋤骨歯列は深いV字型。後肢は5指。背面の体色は赤褐色で、腹部を中心に白っぽい斑紋が見られる。斑紋のパターンは個体や地域によって変異が大きい。尾は円筒形で比較的短い。

【分布】大阪府,奈良県,岐阜県,三重県,滋賀県,和歌山県

【生態】自然林の残る山地渓流の源流部およびその周辺の森林に生息する。繁殖期は4月~6月で、渓流の源流部の伏流水中や、湧水がわずかに染み出るガレ場の斜面などで産卵する。卵嚢はコイル状で、一度の産卵数は10~26個程度と少ない。伏流水中で孵化した幼生は腹にある卵黄の栄養分だけで成長し、摂食活動を行うことなく変態、上陸する。上陸後の亜成体及び成体は繁殖場所周辺の地中や石の下、落ち葉の下などで生活し、ミミズやワラジムシ、クモなどを捕食する。

セトウチサンショウウオ

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セトウチサンショウウオ
Hynobius setouchi Matsui, Okawa, Tanabe et Misawa, 2019
全長:9~11cm
肋条は13本。鋤骨歯列は深いV字型。後肢は普通5指。背面の体色は明るい褐色から緑褐色まで変異があり、目立った斑紋や黒点は見られない。腹部から四肢にかけて青白い斑紋が現れる個体もいる。尾の上端・下端にははっきりとした黄条が現れない個体が多い。繁殖期のオスの尾は著しく扁平し、ヒレ状になる。

【分布】大阪府,和歌山県,兵庫県,岡山県,香川県,徳島県,広島県

【生態】谷戸田のような、湧水を水源とする水田や、丘陵地の湧水湿地およびその周辺の森林に生息する。幼生は非常に獰猛で、水生昆虫や他の両生類の幼生などを捕食し、餌の少ない環境では幼生同士の共食いも頻発する。上陸後はミミズやワラジムシなどの土壌生物やクモ類、小昆虫などを捕食する。繁殖は12月~4月に湧水の水溜りや水田の堀上、浅い池など比較的水深の浅い止水域で行われる。産卵数は40~150個。卵嚢は枯れ枝や枯草などに産み付けられる。卵嚢外皮は透明で柔らかい。幼生は急速に成長し、初夏には上陸する。

【生態写真】
オス成体
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卵嚢
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ヤマトサンショウウオ

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ヤマトサンショウウオ
Hynobius vandenburghi Dunn, 1923
全長:7~13cm
肋条は13本。鋤骨歯列は深いV字型。後肢は普通5指。背面の体色は黄褐色から黒褐色まで変異が大きく、腹部から四肢にかけて青白い斑紋が見られる個体もいる。尾の上端と下端に明瞭な黄色の条線が現れる。頭幅が狭く丸顔。繁殖期のオスの尾は著しく扁平し、ヒレ状になる。

【分布】愛知県,岐阜県,滋賀県,三重県,京都府,大阪府,奈良県

【生態】谷戸田のような、湧水を水源とする水田や、丘陵地の湧水湿地およびその周辺の森林に生息する。幼生は非常に獰猛で、水生昆虫や他の両生類の幼生などを捕食し、餌の少ない環境では幼生同士の共食いも頻発する。上陸後はミミズやワラジムシなどの土壌生物やクモ類、小昆虫などを捕食する。繁殖は1月~4月に湧水の水溜りや水田の堀上、浅い池など比較的水深の浅い止水域で行われる。産卵数は50~120個。卵嚢は枯れ枝や枯草などに産み付けられる。卵嚢外皮は透明で柔らかい。幼生は急速に成長し、初夏には上陸する。

【生態写真】
オス成体
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幼生
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ヒガシヒダサンショウウオ

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ヒガシヒダサンショウウオ
Hynobius fossigenus Okamiya, Sugawara, Nagano et Poyarkov, 2018
全長:14~19cm
肋条数は13本。鋤骨歯列は深いU字型。後肢は5指性。体色は紫褐色で、水中では青みがかる。背面には黄色の斑紋が見られるが、斑紋のパターンは個体や地域によって変異が大きい。近縁なヒダサンショウウオ Hyinobius kimurae と比較すると、より大型で、頭胴長に対して頭が小さく、四肢と尾が長い。尾は円筒形で先端がヘラ状に扁平する。幼生は黒い爪をもつことが多い。

【分布】群馬県,埼玉県,東京都,神奈川県,山梨県,長野県,静岡県,岐阜県,愛知県

【生態】山地を流れる渓流およびその周辺の森林に生息する。周囲は木々に覆われ、昼間でもほとんど日が差さない薄暗い沢を好む。幼生は水生昆虫などを捕食し、上陸後はミミズやワラジムシなどの土壌生物やクモ類、小昆虫などを捕食する。繁殖形態は流水性。渓流の源流部や枝沢で繁殖し、大小の岩が重なり合ったガレ場のような環境を好む。繁殖期は2月~4月頃で、繁殖期になると大きな石の下など産卵に適した場所で待機するオスが観察できるようになる。卵嚢は石に産み付けられる。卵嚢外皮は固く弾力があり、水中では虹色光沢がありたいへん美しい。1回の産卵数は13~50個程度で、地域によって個数にばらつきが見られる。幼生はその年の8月頃に上陸する個体と幼生のまま越冬して翌年の夏に上陸する個体がいる。繁殖期以外は基本的に林床の落ち葉や倒木の下などに潜んでいて観察は困難だが、雨の夜は地上を徘徊することもある。成体は11月頃から繁殖地の渓流周辺に集まり始め、そのまま渓流の水中などで越冬する。

【生態写真】
オス成体
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